エンド・オブ・キングダムの感想

 

 ホワイト・ハウスが北朝鮮のテロリストによって占拠される「エンド・オブ・ホワイトハウス」の続編である「エンド・オブ・キングダム」 。前作よりもスケールアップしたアクションシーンや爆破シーンに加えて、舞台が閉鎖空間であったホワイトハウスから、イギリスの首都ロンドンへと移る。

 

人間関係などは前作から引き継がれており、相変わらず仲がいい主人公マイク・バ二ングとベンジャミン・アッシャー大統領。シークレット・サービス護衛官と大統領が仲良すぎることについて違和感を感じる人間はとりあえず前作見ろ。この2人はもともとお互いにボクシングをするくらい仲がいい設定であり、更にホワイトハウス占拠事件を共に乗り切った仲であるので、絆が深くて当然であり、大統領を救ったマイクが今回もロンドンで大統領の護衛に付くのは納得できる。

 

一応、前作の続編であるが、ストーリーにつながりはなく、前作の知識なしでも楽しめる作品である。

 

近年の映画は作品に何らかのメッセージ性を求められる傾向があり、高く評価される映画のほとんどもメッセージ性が濃い作品となっている。

 

とはいえ、映画というのは本来娯楽のためのコンテンツであり、製作者の思想なんていうものは見る側からしてみればどうでもいい。

 

この映画は久々にそんな考えを彷彿させてくれた作品だ。見ているだけで楽しめる。僕はそういう映画が好きだ。もちろん何かを伝えるための映画も好きだが、そういう映画は観ながら何かを考えさせられるので、正直疲れる。

 

だから本作では、ロンドンが攻撃され、各国首脳が死亡する。めちゃくちゃ強いシークレットサービスと運がいいアメリカ大統領が生き残る。主人公がテロリストを殺しまくりながら大統領を守る。最後にテロリストを皆殺しにするというかなりシンプルな構成。

 

正義(アメリカ)は必ず勝つ。という締めは観ていて実に爽快だった。これぞアメリカ映画。勝利したあとにアメリカ側の人間たちが歓喜しながら周りの人間たちと抱擁や握手を交わすのはアメリカのアクション映画の伝統ですね。

 

この映画を見ていて、ハリソン・フォード主演の「エアーフォースワン」を思い出した。大統領が銃をぶっ放したり、軍人たちが大統領の為に命をささげるシーンは本作にもあり、「エアーフォースワン」を参考にしているのでないかとも思った。

 

個人的に気に入ったシーンが2つある。

 

1つは拉致された大統領がテロリストによってライブ中継されながら処刑されそうになるシーン。予想していたが、やはり寸前でマイクが助けに来て、しかもマイクがテロリストを銃撃する一部のシーンが中継に移ってしまうというハプニング?が起きる予想を見事に裏切らなかったのがいい。

 

2つ目はラスト。テロリストのリーダーにモーガン・フリーマンが演じる副大統領から電話がかかってくるシーン。

 

副大統領:「窓は見たかね?」

 

その後、リーダーの潜伏場所が無人戦闘機によって空爆される。強烈な死刑宣告だった。

 

エンド・オブ・キングダム

いい意味で視聴者の予想を裏切らない、シンプルで実に爽快感のある映画でした。


『エンド・オブ・キングダム』特別映像


『エンド・オブ・ホワイトハウス』予告編